既成カーテンとオーダーカーテン

既成カーテンとオーダーカーテンでは、

価格が10~100倍くらい違うものも多くあります。

何がどう違ってそんなに金額に差が出るのか。

また、それぞれを選ぶときに重要となるポイントをご紹介します。

 

既成カーテンとオーダーカーテンの違い

まず、既成カーテンとオーダーカーテンの違いをご紹介しましょう。

 

既成カーテンとは

同じデザインで数種類のサイズが用意されており、

そのサイズは、日本の一般的な窓のサイズに設定されています。

主に幅は100㎝巾が2枚、もしくは150㎝巾が2枚

丈は110㎝、140㎝、178㎝、190㎝、200㎝、210㎝、230㎝などに分かれています。

ヒダは、仕上がりの巾(100㎝又は150㎝)に対して1.5倍の生地を使用しており、

ヒダは2つ山、また、上部のフックは7.5㎝で、裾の折り返しも2つ折りです。

量販店に売っている洋服のS・M・Lといったサイズ設定と同じと

イメージしていただくと分かりやすいでしょう。

 

梱包の仕方にも2通りあり、平たたみとプリーツたたみがあり、

平たたみは縦に6分割程度に畳んだ後、横に40㎝程度にたたんでパッキングされます。

プリーツたたみは、山に沿ってアコーディオン型にたたまれ、アイロンがけをして

同じく40㎝ほどにたたんでパッキングされます。

プリーツたたみの方が、レールに掛けたときにヒダが綺麗に出て、

広がりにくく、意匠性もある仕上がりになります。

(最近では平たたみの既成カーテンでもパッキング前にヒダがきれいに出るよう、

形状記憶加工をしているものもあるようです。)

 

オーダーカーテンとは

オーダーカーテンでも、イージーオーダーと、一般的なオーダーがあり、

イージーオーダーは、既製品と同じ生地や仕様で、

巾や丈を指定することができるオーダー方法です。

縫製の仕様や梱包は基本的に既製品と同じなため、一般的なオーダー商品よりも

随分安く仕上げることができます。

 

一般的なオーダーカーテンは、巾や丈を

1㎝単位で指定することができるのはもちろん、

生地も既成用の物よりも質の良い生地を使用し、

縫製の仕様も上部のフックが9㎝、裾の折り返しも3つ折りになっています。

このことで、ヒダがしっかりと出るのと、妙な生地の影などが出ないため、

仕上がりも美しく仕上がります。

ヒダの取り方は1.5倍の2つ山を選ぶこともできますが、

一般的には2倍ヒダの3つ山がスタンダードです。

他にもフラット、ギャザー、ボックスプリーツ、ハトメなど、

既成カーテンにはないバリエーションで、

お部屋の雰囲気をよりおしゃれに演出することができます。

さらに、オーダーカーテンであれば、上部の装飾(バランス)や

生地を途中で切り替えたり、フリルやトリムといった装飾をつけることもできます。

(詳しくはカーテンの装飾のページで。。)

また、基本的に形態安定加工や、形状記憶加工を施すので、

ヒダが広がってしまうことなく美しいウェーブが保たれます。

 

既成カーテンとオーダーカーテンの相場

上記のように、既成カーテンとオーダーカーテンでは、

手間や必要な機械などが異なってくるため、縫製の加工料自体が

大幅に違うという点や、生地のm単価が違うという点もありますが、

実際、既成カーテンとオーダーカーテンの相場というのは

どのくらいなのでしょうか。

平均的な床まであるような掃き出し窓W200×H200両開きの場合、

既成カーテンは安いものなら¥1,980~¥4,980程度、

イージーオーダーは¥4,000前後~¥15,000程度

オーダーカーテンはかなり幅が大きく、

最近人気の格安オーダーカーテンでは、¥10,000~

メーカー品のファミリー層向けのシリーズでは、¥30,000~50,000前後

国内外の高級ブランドのカーテンであれば、

¥100,000~¥300,000以上することが当たり前となっています。

生地や仕様によって本当にピンキリなのがカーテンなのです。

価格の差の原因① 素材

そもそもなぜこんなにも価格に差が出てしまうのか。

一つは、生地の素材。

既成カーテンは基本的にポリエステル100%です。

ほとんどの生地が家庭で洗濯ができ、

糸の種類が豊富なため、機能性を付加しやすく、

幅広いニーズを一つのカーテンに入れやすいという点があります。

 

オーダーカーテンに使用される高級カーテン生地もポリエステルが主流ですが、

その他に、レーヨン・麻・綿・シルクなどが混ざっているものは、

原料が高くなるため、洋服と同様、その分カーテンの価格も高価になります。

特に海外のものになるとデザイン性や、素材感が素敵でも、

レーヨン混や、天然繊維でできているものも多く、

洗えないなかったり、紫外線に弱かったりすることがあるので、

機能性も重視するのであれば、国内製の生地をお勧めします。

 

価格の差の原因② 生地の量

次に価格が変わるポイントとして、使用する生地の量が挙げられます。

1mあたりの生地の価値は、糸の量(重さ)でも異なります。

同じように見える生地でも、織の柄がしっかり入っていると

糸がより多く必要になり、その分1mあたりの価値が上がります。

 

既成カーテンとオーダーカーテンの違いでも説明したとおり、

標準となる仕様が異なり、既成カーテンは決まった生地幅、

決まったm数を使って、余分な生地が出ないようにしています。

ベースの生地も同じもので、プリントの柄だけ変えていたり、

機械の設定を少し変えるだけで別の生地が作れるように作られています。

 

それに比べ、オーダーカーテンは、生地の質感・柄・生地幅もそれぞれ違うので、

生地の余分な部分が発生します。

また、ヒダ倍率も高くなれば生地も多く必要になるため、

重厚感のあるカーテンにしようと思うと、生地もより多く必要となります。

 

価格の差の原因③ デザイン

3つ目の要因としては、デザインです。

ウィリアムモリスや、マリメッコなどの誰もが知っている有名な柄はもちろん、

デザイナーがデザインした生地には、それ相応の価値が付加されます。

価格は上がりますが、織の場合は糸使いまで、

プリントの場合は、インクのにじみなど細かいところまでこだわって作られ、

トレンドに合わせて作られているので、お部屋のグレードは一気に上がります。

 

一方、既製品に使用されている柄は、生地の製作工場のオリジナルだったり、

フリー素材のように、昔から変わらないベーシックな柄が採用されています。

そのため、著作権の使用料が発生しないなど、生地の価格を抑えることができます。

 

価格を重視するのか、デザインや仕上がりを重視するのかは、

個人の感覚によるものなので、お任せいたします。。